民間調査┃人材不足対策のために企業が実践していること

多くの企業が人材不足となっている中で他の企業は、どのような対策をとっているのでしょうか。

一般企業の人材不足対策に関する調査結果を見ていきます。

一般社団法人日本能率協会は、企業の経営課題に関する調査「日本企業の経営課題2017調査結果」<速報版>を公開しました。

<人材は質量ともに不足感。主な対応策は、中途採用、女性・シニアの活用>
○必要な人材は足りているか
「十分に足りる」「ある程度足りる」と答えた企業は、合計で30.3%でした。

○質的に人材は足りているか
「十分に足りる」「ある程度足りる」と答えた企業は、合計で20.2%でした。

人数として足りていると感じている企業が約3割、質的にも充足していると答えた企業は約2割しかありませんでした。

○必要な人材を充足させるための対策
「中途採用の積極化」(77.7%)
「働く女性の積極活用(非正規・パート含む)」(52.8%)
「働くシニアの積極活用(非正規・パート含む)」(46.0%)

この3つが上位でした。

中小企業では、これらの対策をとろうとしても賃金や待遇で大企業に負けてしまい応募が来ない、ということも珍しくありません。

○中小零細企業の人材不足対策
中小零細企業では、本当に人材不足で困っている企業が少なくありません。

求人を出してもまったく応募がなく、事業の縮小、閉鎖を余儀なくされているケースもあります。

①応募を集める
求人を出して応募者を集める工夫が必要です。
「社会保険、労働保険には法定通り加入する」
「時間外手当などはしっかり支払う旨を明示する」
といった事業主として最低限やるべきことはやらないと応募は来ないでしょう。

②採用した人材が辞めないようにする
「社会保険、労働保険には法定通り加入する」「時間外手当などはしっかり支払う旨を明示する」という最低限の取組の他、「会社のルール(就業規則)を整備して、労働時間や休憩、休日などに関するルールを明確にする」ということをしないとすぐに<ブラック企業>のレッテルを貼られてしまいます。

■一般社団法人日本能率協会
第38回 当面する企業経営課題に関する調査「日本企業の経営課題2017調査結果」<速報版>

法改正情報┃平成29年職業安定法の改正

平成29年職業安定法の改正について、リーフレットが発行されています。

これから求人をする事業主さんや求人を検討している事業主さんは、確認をしておきましょう。

■平成29年職業安定法の改正
(1)求人の不受理など
①ハローワークや職業紹介事業者等の全ての求人を対象に、一定の労働関係法令違反を繰り返す求人者等の求人を受理しないことを可能とする。

②職業紹介事業者に紹介実績等の情報提供を義務付ける。

③ハローワークでも、職業紹介事業者に関する情報を提供する。

(2)虚偽の求人への罰則等
求人者について、虚偽の求人申込みを罰則の対象とする。

また、勧告(従わない場合は公表)など指導監督の規定を整備する。

(3)求人情報サイト、求人情報誌等への対応
求人情報サイト、求人情報誌等について、募集情報の適正化等のために講ずべき措置を指針(大臣告示)で定めることとするとともに、指導監督の規定を整備する。

(4)募集時と採用時の雇用条件が異なる場合等
求人者・募集者について、採用時の条件があらかじめ示した条件と異なる場合等に、その内容を求職者に明示することを義務付ける。

■平成29年職業安定法の改正についての各種リーフレット等

<就業規則>に規定する項目の内容┃服務

就業規則、賃金規程、育児介護休業規程など会社と従業員の間に適用されるものを総称して「就業規則」と言います。

その中でも「就業規則」には、労働時間や休日、休暇などについてのルールを規定します。

■就業規則の内容
※「就業規則の項目例一覧」はコチラをご覧ください。

3.服務
服務規定には、「会社としてやってほしいこと」「社員として心掛けてほしいこと」などを規定します。

過去の事例などから考えて、会社の現実に即したことを規定していくと良いでしょう。

○遅刻・早退・欠勤
原則として遅刻・早退・欠勤は認められないという前提のもと、やむを得ない場合の手続きについて定めます。

例えば電車遅延や急病のときなど「電話連絡」を義務付けるのかメールでも良いのかを明記します。

こうしたことを規定しておかないと「Lineで連絡がきた」ということが起こりかねません。

また、「届け出をすること」となっているひな型も見られますが「許可制」にすることが望ましいと言えます。

○私用外出、私用面会
業務中の私用外出や私用面会は、原則認められない旨を明記します。

○兼業
最近は、「兼業を認める」という会社もありますが、自社の立場を明確に示すことが重要です。

認めるとしても「許可制」にすることをお勧めします。

○SNS等の利用
SNSの利用に関するトラブルも増えています。

社内や業務中に得た情報を外部に発信してはいけないことを明記します。

○セクハラ、パワハラ、その他のハラスメント行為
セクハラ、パワハラ、その他のハラスメント行為を禁止する旨を明記します。

厚生労働省の指針により、「相談窓口」を設置することも必要です。

○その他
クリニックなどの場合には「髪の毛の色」「装飾品」「喫煙」などについて、服務規定により規制を設けたケースもありました。

ひな型でもある程度はカバーできるかもしれませんが、ここは、しっかりと考えて規定するべきでしょう。

<就業規則>に規定する項目の内容┃採用

就業規則、賃金規程、育児介護休業規程など会社と従業員の間に適用されるものを総称して「就業規則」と言います。

その中でも「就業規則」には、労働時間や休日、休暇などについてのルールを規定します。

■就業規則の内容
※「就業規則の項目例一覧」はコチラをご覧ください。

2.採用
ここには、採用に際して会社へ提出が必要な書類や、試用期間などについて規定します。

○提出書類
採用に際して提出をしてもらう書類を明示します。

例えば次のようなものがあります。
①入社誓約書
②身元保証書
③自動車運転免許証の写し(通勤もしくは業務に自動車使用が予定されている者)
④職務上必要とされる免許証等
⑤個人番号カード

特に「個人番号カード」については、提出を拒まれ、会社の手続きが滞ることも考えられるので就業規則に明記しておきます。

提出期限については「初出社の日」としておくのが良いでしょう。

よく「入社後14日以内」などとしているケースがありますがこれでは、

「運転免許証があるものと思って運転させていたが実は無免許(免停)だった」

といったことが起こるリスクがあります。

○身元保証人
連帯保証人とは違うので従業員が何か問題を起こしたときに必ずしも責任を追及できるわけではありません。

しかし、親や親せきなどの近しい人を身元保証人として立てることが多いので「そうした人たちに迷惑をかけられない」といった心に働きかける効果は期待できます。

身元保証については「身元保証に関する法律」に定められており、保証期間を定めなければ3年、定めていれば最長5年の有効期限になります(更新可能)。

この場合、就業規則には「身元保証の期間は5年とする」「更新がある」旨を明記しておくと良いでしょう。

○試用期間
試用期間と有期契約は異なります。

能力が足りない、勤怠が悪いという場合でも「試用期間満了」で辞めさせることは解雇になりますので慎重な判断が必要です。

やむを得ず解雇しなければならない場合には、就業規則の規定に基づいて厳正に判断をします。

できる限りそうならないように一度採用した以上は育てていく、という意識が重要です。

<就業規則>に規定する項目の内容┃総則

就業規則、賃金規程、育児介護休業規程など会社と従業員の間に適用されるものを総称して「就業規則」と言います。

その中でも「就業規則」には、労働時間や休日、休暇などについてのルールを規定します。

■就業規則の内容
※「就業規則の項目例一覧」はコチラをご覧ください。

1.総則
ここには、就業規則の「目的」や「適用範囲」について、規定します。

○目的
会社の理念や行動指針などを就業規則に明記するケースもあります。

いつも目にする理念や行動指針などを就業規則にも盛り込むことで就業規則がより身近なものになります。

どんな目的でこの規程を作成したのかがわかる「目的」にすると良いでしょう。

○適用範囲
まず、「正社員」「契約社員」「パートタイマー」「アルバイト」などの言葉の定義を明確にします。

複数の雇用形態がある場合に一つの規程で全ての雇用形態に対応しようとしているケースもありますがそればあまりお勧めできません。

正規、非正規で労働条件に不当に差を設けることはきませんが例えば年次有給休暇については、正規雇用と短時間社員では付与日数が異なる場合があります。

また、「休職」の規定についても正規雇用と非正規雇用で待遇が同じというのは実態に合わない可能性があります。

○変更の可能性
就業規則は、法改正の時だけでなく、会社の状況が変わった場合にも変更をすることがあります。

そうした可能性はあらかじめ明記しておきます。

各種規程に規定するべき項目<賃金規程><育児介護休業規程>

就業規則は「働く時間や休憩、休日のこと」などを定める規程の他に給与や賞与のことを規定する<賃金規程>、育児休業や介護休業のこと定める<育児介護休業規程>があります。

最低限、<就業規則><賃金規程><育児介護休業規程>の3点は、そろえるようにします。

<賃金規程><育児介護休業規程>に規定する項目は、次のようなものがあります。

■賃金規程の項目
1.総則
2.賃金支給日等
3.賃金体系に関するルール
4.途中入社・退職社員に関するルール
5.割増賃金に関するルール
6.賃金改定に関するルール
7.賞与に関するルール
8.休業中の賃金に関するルール
9.その他のルール

■育児介護休業規程の項目
1.総則
2.育児休業制度に関するルール
3.介護休業制度に関するルール
4.時間外労働の制限に関するルール
5.所定外労働の制限に関するルール
6.深夜労働の制限に関するルール
7.育児短時間勤務制度に関するルール
8.子の看護休暇に関するルール
9.介護短時間勤務制度に関するルール
10.家族の介護休暇に関するルール
11.その他のルール

各種規程に規定するべき項目<就業規則>

就業規則、その他の規程を作成する際には「絶対的必要記載事項」はもちろんですがその他にも規定をするべき項目は多岐にわたります。

こうした多くの項目を最新の事例や判例、法改正に対応しながら作成していく必要があります。

<就業規則>に規定する項目は、次のようなものがあります。

■就業規則の項目例
1.総則
2.採用に関するルール
3.服務に関するルール
4.労働時間・休日に関するルール
5.年次有給休暇に関するルール
6.休暇・休業に関するルール
7.休職に関するルール
8.異動・出向・転籍に関するルール
9.懲戒に関するルール
10.労働契約終了に関するルール
11.解雇の手続に関するルール
12.機密保持・個人情報の保護に関するルール
13.健康管理および安全衛生に関するルール
14.賃金に関するルール
15.災害補償に関するルール
16.教育訓練に関するルール
17.表彰に関するルール
18.社員の個人情報に関するルール

就業規則・ワークルールの作成と手続き

就業規則を作成したら、それを有効なものにするためには一定の手続きが必要になります。

「就業規則は作成したが社員には見せたことがない」
「就業規則はなるべく社員には見せたくない」

という経営者の方もいますがそれではまったく意味がありません。

■就業規則の効力発生
就業規則は、作成した後「従業員へ周知をして」初めて有効なものになります。

【届け出=効力発生】ではありません。

【従業員へ周知=効力発生】です。

それでは「届け出をしなくても良いのか?」というとそれは違います。

労働基準法第89条では、
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。

と規定しており、これに反した場合には「届け出義務違反」になります。

しかし、「届け出義務違反」なだけであって、周知してあれば有効です。

■就業規則の届け出
○届け出先:管轄の労働基準監督署

○届け出る書類等
①作成した就業規則
就業規則の他、賃金規程や育児介護休業規程なども作成した場合には、合わせて届け出をします。

変更の際には、変更をした規程を届け出ます。

届け出印を押してもらう場合には「2部」提出をします。

表紙に届け出印をもらわなくてもかまわない場合にはCD等での提出も可能です。

②就業規則届
・会社名
・所在地
・電話番号
・使用者職氏名
・労働保険番号
を記載した就業規則届を「2部」提出します。

③意見書
・従業員代表の署名捺印
・従業員代表の意見
を記載した意見書を「2部」提出します。

③その他
・内容物がわかる送付状
・返信用封筒(切手貼付)
を同封します。

■就業規則の周知
就業規則は、各作業場の見やすい場所への掲示、備付け、書面の交付などによって労働者に周知しなければなりません(労働基準法第106条)。

○周知方法
(1)常時各作業場の見やすい場所に掲示する、または備え付ける。
(2)書面で労働者に交付する。
(3)電子的データとして記録し、かつ、各作業場に労働者がその記録の内容を常時確認できるパソコンなどの機器を設置する。

働く人の職場の悩み

働く人の職場の悩みは様々です。

会社としては、こうした悩み事を一つでも解消することが人材の定着や離職率の低下につながっていきます。

日本産業カウンセラー協会と連合(日本労働組合総連合会)とが協力して実施した「働く人の電話相談室」の結果では、働く人の職場の悩みは次のようになっています。

■2017 年の『職場の悩み』相談内訳
①人間関係:31.7%
②労働条件・待遇:20.8% ③パワハラ:17.8%

この上位3つで全体の約7割を占めています。

他には「業務量・時間外労働」「解雇」「その他のハラスメント」と続きます。

■具体的な相談事例
1.「労働条件・待遇」に関する事例
「上司が変わってから仕事を減らされ、収入も減った」
「サービス残業をさせられる」

2.「職場の人間関係」に関する事例
「仲間外れにされる」
「自宅までつきまとわれる」
「上司の圧力で若い人が辞めていく」
「終業後に『教育』と称して深夜まで帰れない」
「病気休業の際、復職時に職場で謝罪を強要された」

3.「ハラスメント」に関する事例
「顔を見ていると気持ち悪くなる」
「さっさと辞めろ」
「存在が目障り」

こうした問題は、表に出たときには既に手遅れになっていたり、トラブルが大きくなっていたりすることもあります。

日ごろからこうした兆候をとらえられる仕組みを導入することも重要です。

■日本産業カウンセラー協会

介護事業者の発展のために┃介護甲子園応援パーティー

介護甲子園応援パーティーに行ってきました。

介護甲子園応援(日本介護協会主催)は、介護職員の人たちが輝ける場を作ることを目的としています。

「自分たちが介護される立場になる30年、40年先の介護人材を自分たちで育てる」

「自分たちはどういう人に介護をされたいか」

こういった言葉が印象的でした。

来年2月の本大会出場をかけて、全国の6472事業所が想いを込めた動画が公開されています。

メールアドレスがあれば誰でも投票できるようなので動画をご覧いただいてはいかがでしょうか。

動画の中でも紹介されていましたが最近では、ロボットを使った歩行訓練も行われているようです。

各事業所が、介護業業界がどのような方向へ向かっているのかが垣間見える内容になっています。

当事務所にも介護事業の関与先がありますので、業界の発展のために協力をしていきたいと考えています。

■第七回 介護甲子園