介護事業所と労働基準法・労働法・労務管理

介護事業所と労働基準法・労働法・労務管理

介護事業所の多く、特に中小零細規模の介護事業所では、労働基準法やその他の労働関係法令への認識が低いように感じられます。

しかし、そのままでいると人材の確保や人材の定着よりも大きな問題に発展しかねません。

■労働基準法と介護保険法
介護事業の指定や処遇改善加算に関する「介護保険法」については、法令順守を強く意識されている事業所が多いと感じます。

しかし、労働時間や休日、休暇、賃金に関して規定されている「労働基準法」については、意識が弱い傾向があるようです。

例えば、

①訪問介護事業における移動時間など
②訪問介護事業におけるキャンセル時の対応など
③労働時間の適切な把握

という部分では業界の慣習と法律がかい離してしまっている状況があります。

■介護サービスの提供時間≠労働時間
介護サービス提供時間と労働時間は異なる、ということに注意が必要です。

例えば、

①引き継ぎの時間
②業務報告書の作成時間
③打ち合わせ、会議等の時間
④研修の時間
⑤事業所の掃除、朝礼などの時間

これらは、介護サービスの提供時間ではないので、介護報酬の対象とはならなくても労働時間として賃金は発生します。

■労働関係法令違反を軽視しない
2011年の介護保険法改正において、介護事業所の欠格事由に次のことが追記されたことはご存知の方も少なくないでしょう。

<申請者が、労働に関する法律の規定であって政令で定めるものにより罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。>
<申請者が、社会保険各法又は労働保険の保険料の徴収等に関する法律の定めるところにより納付義務を負う保険料、負担金又は掛金について、当該申請をした日の前日までに、これらの法律の規定に基づく滞納処分を受け、かつ、当該処分を受けた日から正当な理由なく三月以上の期間にわたり、当該処分を受けた日以降に納期限の到来した保険料等の全てを引き続き滞納している者であるとき。>
ただし、労働基準法等の労働関係法令違反で「罰金刑」を受けることは稀なケースですので、普通に事業運営をしていればそれほど意識することはないでしょう。

電通事件のように繰り返し是正指導を受けながらも改善せず、重大事案を起こした場合などは罰金刑になることもあります。

いずれにしてもこの部分だけを切り取って、不安をあおり「就業規則の改定を促す」介護事業専門をうたう社会保険労務士(社労士)もいるようですが、それは視点がずれていると考えられます。

二番目の社会保険または労働保険料の滞納についても「本当に悪質で故意に逃れているのか」「本当に払えないか」どちらかだと考えられます。

前者のような事業所であれば、指定を取り消されても仕方ないです。

後者の場合で事業を継続していくのであれば、人件費の見直しも含めて抜本的に事業を見直す必要がありそうです。

こうしたことから、この2つの欠格事由をそれほど特別に意識する必要はありませんが、人材定着、人材確保という意味では大きな意味をもつことは間違いありません。

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