相談事例┃異動・配置転換を拒否されたときの対応

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相談事例┃異動・配置転換を拒否されたときの対応

事業主は、事業の運営上、やむを得ない理由で従業員に対して異動や配置転換を命じる場合があります。

しかし、一部の従業員は、これを拒否する場合があります。

このような場合、次のような対応が考えられます。

■従業員は、異動や配置転換を拒否できるか
就業規則に「異動・配置転換の規定」があり、人事権の裁量の範囲内であれば原則的に従業員は、異動や配置転換を拒否できないものと考えられます。

懲罰的なものであったり、人事権の乱用にあたったりすると考えられる場合にはこの限りではありません。

■異動・配置転換を巡るトラブル事例
○東亜ペイント事件 (S61.07.14最二小判)
Y社では頻繁に転勤を人事異動がなされており、従業員Xに対しても数回にわたり転勤を内示したが家庭の事情を理由に拒否をし続けたとして、Xを解雇した。

【裁判所の判断】
その必要性があっても他の不当な動機・目的をもってなされた場合、労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合等、特段の事情がない場合には、当該転勤命令は権利の濫用に当たらない。

以上のように判断し、配置転換命令を妥当と判断しました。

■配置転換命令が認められるかの判断基準
労働契約法第3条5項では、
<労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。>
とされており、

●業務の必要性がない(懲罰的なもの等)
●配置転換にあたり、不当な動機や目的がある(退職勧奨、退職への誘導等)
●通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を及ぼす
以上のような場合には、無効と判断されるケースもありますが、こうした事由に該当しなければ原則的には認められるものと考えられます。

■勤務地限定の同意があったか
採用に際して「勤務地が限定されている」と認められる場合には、異動・配置転換命令が否定される可能性があります。

しかし、本社採用の正社員で複数の営業所・支店があるような場合には「勤務地限定」の認定はされにくいと考えられます。

例え、雇用契約書には採用後の勤務地しか記載されていなかったとしてもそれをもって「勤務地が限定された」とは言えません。

■採用時の通知と就業規則への規定
異動や配置転換の可能性があれば採用の際に本人に伝えることが重要です。

かつ、就業規則にも「異動・配置転換」の根拠条文を規定しておきます。

雇い入れ時には「異動・配置転換にも応じられる」と言っていたにもかかわらず、その時になって拒否するということがあれば「採用にあたっての虚偽申告」と捉えることも考えられます。

なお、「採用にあたっての虚偽申告」や「異動や配置転換の拒否」にあたっては、就業規則において次のような規定を置くことで懲戒の対象とすることも考えられます。

●会社への提出書類、もしくは、面接時に述べた内容と異なる事実が判明したとき。
●正当な理由なく配置転換・転勤・出向を拒んだとき。

異動や配置転換は、業務上必要だったとしても従業員の日常生活に少なからず影響を及ぼすのも事実です。

しっかりと必要性を説明することが重要です。

判例などについては、以下のホームページも参考にしてください。
※厚生労働省ホームページ
・確かめよう労働条件

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