社会保険料逃れ┃法人格を2つに分ける

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社会保険料逃れ┃法人格を2つに分ける

20180623

事業主であれば「社会保険料の負担を軽くしたい」「税金を安くしたい」ということを考える人も少なくはありません。

社会保険料逃れの手段として使われる手法の一つに「法人格を複数に分ける」「別会社を設立する」という方法を取る事業主もいます。

■社会保険の加入要件
法人であれば社会保険(健康保険・厚生年金保険)は強制加入になります。

社会保険が強制加入となる事業所では、一定時間数以上働く従業員は社会保険の被保険者となります。

また、個人事業主であっても従業員を常時5人以上雇用している一定の業種については、強制加入となります。

※日本年金機構ホームページ
・適用事業所と被保険者

※全国健康保険協会ホームページ
・適用事業所とは?

■法人格を2つに分ける
「法人格を複数に分ける」「別会社を設立する」という方法は、<社会保険料逃れ>と<長時間労働隠し>という2つの意図をもって行われるケースがあります。

○具体例【X株式会社に正社員雇用されていた給与30万円のAさんのケース】
①X社は、X社の業務の一部(例えばデータ入力)を行わせる目的でY社を設立。

②9時~16時までは<X社で勤務>とする。
→16時でX社での勤務終了(タイムカード打刻)

③16時~18時までは<Y社で勤務>とする。
→16時出勤・18時退勤としてタイムカード打刻

こうすることで、
X社:6時間勤務(休憩一時間)
Y社:2時間勤務
となります。

さらに賃金については、
X社:20万円
Y社:10万円
と分けるとします。

こうして二つの法人に業務を分けることで、一人の労働者が行う業務の量は同じまま「X社では社員」「Y社では短時間のパートタイマー」とします。

Y社での勤務だけを見れば<一日2時間×週5日=10時間>なので、社会保険の加入資格を満たしません。

本来、X社の社員として「30万円分の社会保険料」がかかるはずが「20万円分の社会保険料」で収まることになってしまいます。

<効果>
・社会保険料の対象となる給与が30万円から20万円になる
・源泉徴収の対象となる給与が30万円から20万円になる

■このケースの問題点
<社会保険料の負担を不当に逃れようとしている>
社会保険料逃れのために2つの法人格を乱用していることは明らかです。

労働者側から見ても「手取りが増える」ことからすぐに問題にならないケースもあります。

しかし、考えられる問題点としては、

○将来受け取る年金が減る
○傷病手当金や失業給付(いわゆる失業保険)の金額が減る
○労災保険で補償される金額が減る

このようなことが考えられます。
労働者自身がこのような不利益に気が付いた時、大きなトラブルに発展することも考えられます。

社会保険料削減、社会保険料逃れのためにこうしたことをやっていると年金機構の取り締まりで発覚すれば、過去2年に遡って本来納付するべきだった社会保険料を納付することになります。

 

なお、労働時間の算定にあたっては、複数の事業場で働いていたとしても「労働時間は通算する」ため、2つの法人に分けてもまったく意味がない、ということを付け加えておきます。

※関連記事
・労働基準法の「一日」の考え方

こうした行為は、今回のような事故や監督調査、労働者からの通報などで必ず発覚します。

また、そのよう脱法行為をしているとこれからの人材不足の時代、人が寄り付かなくなることが予想できます。

※関連記事
・社会保険料逃れ┃従業員を個人事業主にする

※関連ニュース
・二つの法人格を「濫用」した事例

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