勤務が二暦日にまたがる場合の考え方

勤務が二暦日にまたがる場合の考え方

20180618

飲食業などの場合、一度の勤務が2日間にまたがる場合があります。

そのような場合、労働時間や時間外労働の考え方は次のようになります。

■労働基準法の「一日」の考え方
労働基準法の一日とは「0時から24時まで」の暦日を言います。
(昭63.1.1 基発1号.)

夜勤の場合などで勤務が二暦日にまたがる場合には、始めの一日目の勤務として労働時間を考えます。

■時間外労働により二暦日にまたがる場合
<無州事件(東京地裁 平成28年5月30日判決)>

この事件では、

① 前期
「(Bシフト)午前10時~翌日午前0時、実労働時間 10時間」
「(Aシフト)午前4時~午後4時、実労働時間 10時間」
② 後期
「(Aシフト)午前12時~翌日午前0時、実労働時間 10時間」
「(Bシフト)午前4時~午後4時、実労働時間 10時間」

このようなシフトで働いていた労働者が
○午前0時以降、常に時間外労働があった
○常にABのシフトはセットだった
ということを理由に「ABを一つの勤務として考え、一日8時間を超えた部分についての割増賃金」の支払いを求めました。
<労働者の主張>
「前期のBシフトとAシフト及び後期のAシフトとBシフトは、常にセットだった」
「宿泊勤務が前提だった」
「シフトの間には深夜の時間帯の数時間しかなく、帰宅することもできなかった」
「両シフトを合わせて連続した1勤務とみるべき」

<裁判所の判断>
「先行するシフトは午前0時に終了し、後行するシフトは午前4時から開始する」
「シフトとシフトとの間には4時間の間隔がある」
「この4時間について、被告が原告に対し、施設内にとどまり、待機するよう指示していたという証拠はない」
「シフトとシフトとの間の時間が、労働から解放された時間であったこと自体については争いがない」
「仮眠設備があったとしても、原告において、当該仮眠設備を利用して宿泊しなければならない義務があったわけではない」
「深夜のため事実上、自宅への公共交通機関がないというだけでは、被告の拘束のもとにある時間(拘束時間)であったと認めることはできない」

以上のように二つの勤務は独立しており、二つの勤務を通算して8時間を超えた分の割増賃金を支払う必要はない、と裁判所は判断しました。

この事件で重要なのは「勤務間が4時間空いていればよい」という形式的なことではなく、形式的にも実態としても勤務が途切れて分かれていたことにあると考えます。

深夜業務を伴う業態の場合には注意が必要です。

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